糖尿病治療のおはなし 3
2015/10/05
前回の記事では、食事療法と運動療法についてご紹介しました。
今回は薬物療法について見ていきましょう。
・成功の秘訣はタイミング!薬物療法
インスリンの働きを補い血糖値を調整するために、まず飲み薬(経口薬)を処方します。
経口薬にはインスリンの分泌を促すものや、炭水化物の分解・吸収を遅らせるものなど、
いくつかのタイプがあります。
糖尿病治療では、これらの薬を患者さんの状態に合わせて処方し、
血糖値をコントロールしていきます。
これらの経口薬を使っても血糖値が改善されない場合に、
自分で注射をするインスリン治療を行います。
これは足りない量のインスリンを直接補う治療法なので、
血糖値をコントロールする効果は最も高くなります。
インスリン製剤にはいくつか種類がありますが、
ここでは持効型溶解インスリン製剤を紹介します。
この製剤は、作用が現れるのは注射1~3時間後ですが、
作用のピークがなく、24時間安定した作用を発揮します。
現在、服用している飲み薬を続けながら、
この持効型溶解インスリン製剤を1日1回だけ注射する方法が広がってきています。
今までの薬は変えずに1日に1回一定の時間に注射をすればよいので、
初めての人でもインスリン療法を始めやすい方法です。
このように、適切なインスリン治療を行い血糖値をよい状態に保っていると、
今までオーバーワークとなっていたβ細胞に休憩時間を与えることができます。
つまり、β細胞に回復力が残っているうちにこの休憩を与えると、
再びインスリンを分泌する能力を取り戻すことができるのです。
うまくいけば、一生続けなければならないと思っていた薬物療法を中止することもできるので、
「適切なタイミングでのインスリン治療」
が大変重要であると言えます。
現在、インスリン治療は、糖尿病治療の最終手段 ではありません。
わずかな異常に気がついたときは早めに受診し、生活習慣を見直して
早めに上手に使えばインスリン治療を止めることだって可能なのです。
自分に合った経口薬やインスリン製剤での治療を受けましょう。
※インスリン治療では低血糖という副作用が心配されますが、きちんと対処すれば回復します。
対処法についてはご相談ください。
また、インスリン治療をしているからといって、
生活上で諦めなければならないことは特にありません。
生活スタイルにあった製剤をうまく使いこなし、仕事や旅行を楽しみましょう。
糖尿病治療の3本柱、いかがでしたか?
お日さまクリニックでは、患者さんにお話を伺い、それぞれの症状や生活習慣に合った
「食事療法・運動療法・薬物療法」を行っています。
糖尿病治療にご興味がある方は、お気軽にお日さまクリニックへお越しください。
適切な診断・アドバイスでお待ちしています。